近年,映像・音響技術の向上などにより,VirtualRe-ality (VR)を用いた研究や開発が盛んである.VR内で触覚・力覚情報をユーザーに提示することで, 臨場感や操作性・安全性を向上させることができる.しかしながら,例えば,テニスラケットでボールを打つときなど衝撃感を伴う触覚・力覚の提示は振動を与えるだけのものや装置が大型であったりするので,手元への触覚・力覚の提示だけで把持している物体のどの位置に衝撃を受けたかを知覚することは難しい.
そこで本研究では,テニスラケットの左右それぞれの位置にボールを落としたときの触覚・力覚の違いを小型のデバイスで再現することを目的とした.
モータの回転する方向を瞬時に切り替え,把持している手に加わる慣性力の方向を瞬時に切り替えることで打撃感を提示した.モータを回転させる方向を制御することで知覚させる方向の提示した.
モータに錘を取り付けることで,実際に測定した加速度の波形と近くなることを確認した.提示した方向に対する知覚した方向の正答率も錘ありだと約83%となった.