現在,日常生活におけるストレスが原因で様々な健康被害が発生しています.
さらに,コロナ禍による生活環境の変化によりさらにこの問題は加速しており,ストレス被害による医療費の増加といった経済面にも大きく影響を与えるものとなっています.
そんな中で,ストレス低減という分野は温度刺激や振動刺激といった様々な刺激手法によって効果を確認しています.
先行研究では,手掌部に適切な温度提示を行うことで被験者のストレス値が低減されたという報告がなされています.しかし,上記の先行研究では,被験者の感情的な部分である心理的評価というのが被験者へのアンケートという主観的な評価になっています.
そこで,本研究では心理的評価の部分を脳波による感情推定を行うことで感情値として定量的に評価することに着目しました.我々人間はストレスの中でも特に不安や焦りといった心理的部分からストレスを感じやすく,長期的になるほど身体的な病気の発症へと繋がってしまいます.したがって,身体的評価と定量化された心理的評価の関係性について比較検討することを目的としています.
実験では,脳波の測定に感性アナライザと呼ばれるデバイスを使用し,リラックス効果のある温度刺激を行った際のストレス値を定量化しました.
得られたストレス値の変化から,ストレス値の低下による温度刺激の有効性とストレス値の上昇が起きた原因の考察を行いました.