近年ネットワーク技術やロボティクス技術の発達により, 遠隔で操縦するロボットが開発されている. 遠隔操縦ロボットには様々なメリットがある一方で, 遠隔という特性から操縦難易度が高いという問題を抱えている. そこで, 人の操縦操作に対して補助を加える操縦支援によって操縦難易度を下げる取り組みが行われている. しかし操縦支援のタイミングによっては逆に危険を誘発したり, やりたい作業を妨げるといった問題が発生してしまう. そこで本研究では, このような不要なアシストは一定数生じるという前提のもと, アシストの選別を行い不要なアシストを排除することによって, 操縦支援の問題点の解消を目指した.
結果として, 不要なアシストの排除に成功しタスク完遂時間の短縮を確認できたが, 注意度合いの閾値のみを条件とした選別では一部必要なアシストも排除している傾向が認められた. よって提案手法は, 若干のミスの増加とトレードオフにすることでより強力な支援を行いながらも作業効率を落とさない操縦支援の実装などに応用できると考えられる. また, 今後の展望として閾値以外にも選別の条件を増やすことにより, より高精度に支援の選別ができると考えられる.