気づかれない行動のための眼球運動に伴う三次元注意分布推定

近年,ロボットの社会参加が現実となっており,社会に馴染むための技術が必要とされている.人間を阻害しない活動が社会に馴染むことの1つの要素と考える.この活動ためには人間の注意を避けて,気づかれないよう行動する必要がある.人間は情報の多くを視覚で得ている.故に視線運動を解析することにより,人間の注意分布が推定可能となる.推定した人間の注意分布を避けることで,気づかれない行動の実現につながる.そこで,本研究では注視点の中心に注意分布が広がっていると仮定し,人間の注意分布を3次元で推定する方法を提案した.実験はUnityとVR型アイトラッキングデバイスであるFOVE 0を使用した.実験内容は,被験者に図のような仮想空間を提示し,ボールの色の変化に気づかなかった場所の注意分布の推定結果に注目した.実験結果は気づけなかったボールの場所には,注意分布が広がっていないという結果となった.結果より,人間の気づきにくい場所の特定に有効性があることを示唆した.

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