近年ではコロナウイルス蔓延を機に,テレワークやオンラインでの授業,診療など遠隔で行う選択肢が取れるようになっている。そのため,職種によってはメリットとなっているが,運動量が減り,長期間椅子に座る機会が増加している.これにより座位姿勢不良になりやすく,歩行不全や糖尿病といった健康被害を将来的に与えうる.
この姿勢不良を改善するために座位姿勢の検知や矯正を行う研究はあるが,その多くはユーザ自身が姿勢を修正する必要があり,テレワークなど他の作業と並行しての修正は困難である.
そこで,本研究では座位姿勢の解析と矯正をリアルタイムで同時に可能なワイヤアレイ型矯正デバイスを提案した.ワイヤで繋がった2台のモータを10セット用意し,RTOB(反トルク推定オブザーバ)での力の推定とモータ制御を用いたワイヤ張力による矯正を1つの機構で可能としている.
現在は,8台のモータを用いて圧力ヒートマップの作成とCOP(圧力中心)位置の推定を行っている.COP位置の推定によって座圧の偏りを検知し,ワイヤ張力の変化でCOPを誘導することで座位姿勢の改善を図る.